ブレードランナー2049について

 ブレードランナー2049を見た、ライアン・コズリングが新型ブレードランナーを演じ、ブレードランナーリドリー・スコットシド・ミードが描いた世界観は再構築された。

 旧型レプリカントの排除、レプリカント同士の恋愛、新旧ブレードランナーの価値観の対立、人工的に作られた人間とは?というテーマが散りばめられた。

 私が第一作のブレードランナーと第二作のブレードランナー2049の共通点として、人間とレプリカントの関係性から人間とは何か?、ポストモダンの荒廃した近未来の中での人々の生き様を描いているところであろうか。

 私は、フィリップ・K・ディックアンドロイドは電気羊の夢を見るか?を10年前に読んだ。内容は、ブレードランナーとまったく違うものだが、映画では、レプリカントが、小説では、アンドロイドが生物や人間の感情に共感することができないということが共通しているのではないか。

 いわゆる、新自由主義経済政策により、都市化、産業化が進み、資本主義は過度に発達しすぎた。そのような中で、今や日本では、5人に1人が何らからの発達障害精神障害を抱えている。

 世界は、ブレードランナーのようなポストモダンな都市化と産業化が進みすぎ、他人に感情移入できない、生物と自然の価値を認識できないレプリカントのような人間が増えているのではないだろうか。